チャーミープリンセス
プロフィール
性 別 メス 誕生日 1996(平成8)年1月1日 出身地 北海道 毛 色 栗毛 種 類 ポニー
ストーリー
ひとりぼっちだったチャーミープリンセス
チャーミーがイグレットに来たのは、2歳の頃。当時、イグレットではポニークラブ(キッズのクラス)のために、子ども達が乗ることが出来るサイズの馬を探していました。北海道の牧場で、ポツンとひとりぼっちだったのが、チャーミープリンセスでした。馬は集団で生活する動物ですが、群れになじむことが出来ていませんでした。ひとりぼっちのチャーミーがかわいそうで、イグレットで引き取ることになりました。
チャーミーの血統ははっきりしていませんが、体つきや毛並みの特徴から、サラブレッドと道産子(北海道和種)のハーフのようです。ポニー種の中では大きめの体格と、サラブレッドならではの機敏さを持っています。反面、チャーミーのたてがみは、毛の量がとても多くてモサモサしています。毛の多さや、体の割に足が太いところは道産子の血を感じさせます。
暴走馬だったが、今ではイグレット一番の功労馬
イグレットに来た頃のチャーミーはまるで「暴走族」でした。子ども達が乗ると、ダッシュしてしまうのです。といっても、チャーミー本人は暴走しているつもりはありません。純粋なポニーは動作もおっとりすることが多いですが、半分サラブレッドのチャーミーはチャキチャキと動けるので、少しの合図でもスーッと走ってしまうだけなのです。子ども達があわてて、それに付いていこうとすると、アクセルが踏みっぱなしのようになり、どんどん暴走してしまうことがよくありました。そんなチャーミーをコントロール出来るようになることが、子ども達にとっても良い勉強になりました。
イグレットのポニークラブは20年以上続いており、かつてのキッズ達が今では社会人になりました。彼らは皆、チャーミーで育った世代。その中には獣医を目指す人もいます。小柄で小回りがきくチャーミーは、競技会でもたびたび優勝しました。大会でアウェイに行くと、緊張したり、動揺したりする馬が多い中、チャーミーはほとんどそういうことがありません。
年齢を重ねたことで暴走癖もなくなり、今では何かあればチャーミー、というくらい、すごく頼りにされる存在になっています。チャーミーは体が小さめなので、乗る時にバランスを取る場所が狭いのですが、多少ズレて乗ったり、コントロールがうまく出来なかったりしても、「これがやりたいんでしょ」と理解して、やってくれるのです。
乗馬を始めたばかりの子も、駈歩などのコントロールを練習する子だけでなく、女性や初心者も安心して任せられます。イグレットの会員Oさんも、大好きなチャーミーに会えることを楽しみに通う一人。人よりずっと大きく、力も強いのに、自分を受けとめ、仲良くしてくれるチャーミー。そんな穏やかで思慮深いチャーミーになら、誰にも言えないようなことも話すことが出来る、と言います。Oさんのように「チャーミーでなければ」という会員も多く、チャーミーはみんなの先生です。
チャーミー姉さんは、ポニーたちのリーダー
かつて群れになじめず、ひとりぼっちだったチャーミープリンセス。イグレットに連れてきてからは、敢えてポニーの群れの中に入れ、自由に放牧させることにしました。若い頃は気を張って、強がっていましたが、時間とともにだんだんと丸くなり、他のポニー達にすごく慕われるようになりました。すると、チャーミーがもともと持っていた責任感が発揮されてきて、今ではポニー達のリーダーです。
チャーミーの性格は、いかにも女の子というより、「姐さん」気質。ボスっぽさが漂っています。イグレットではポニー達を自由にさせているので、放牧の時間もチャーミーが行くところに、みんながぞろぞろ付いていきます。稲刈りの季節は、ポニー達の行動に注意が必要です。スタッフが見ていないタイミングで、道路の向こうの田んぼに、みんなで草を食べにいこうとするのです。道路に出てはいけないことはチャーミー達も分かっているので、こっそり抜けだします。スタッフに見つかると、何もしていなかったかのように知らん顔で戻ってくる姿は、まるでいたずらが見つかった子どものよう。チャーミーはそんなお茶目な一面も持っています。