COMMITMENT

馬のウェルビーイング – 乗馬倶楽部イグレットの取り組み

 乗馬倶楽部イグレットは、「乗馬は馬を尊重することから始まる」というポリシーを掲げています。馬の幸せを第一に考えることが、結果としてライダーの幸福度も上がり乗馬技術の向上にも繋がるという信念のもと、馬たちに優しい働き方を実現しています。

イグレットのこだわり

1.馬を最後まで飼う責任

 イグレットは、馬が現役を引退した後も最後まで責任を持って見守り続けることを基本としています。私たちにとって馬はパートナーであり、家族同然の大切な存在です。そのため、一頭一頭の性格や体調を尊重しながら馬たちが心身ともに健やかに過ごせるよう、最適な環境づくりに取り組んでいます。今後も新厩舎の整備やリトリート厩舎・ワーケーションスペースなど多機能な施設の拡充を通じて、地域の皆さまや企業・研究者の方々と連携しながら、馬との触れ合い体験、セラピー・リトリートプログラム、文化イベント、環境に配慮した循環型農業など、さまざまな活動を展開していく予定です。こうした取り組みを通じ、馬と人との新たな絆を生み出し、馬がもつ豊かな可能性や癒やしの力を多くの方に感じていただくことを目指しています。

2.馬の幸せと健康を第一に考えた環境づくり

 イグレットでは、馬の心と体の健康を最優先に考え、馬にとって自然なリズムを維持するために適切な管理を行っています。広々とした自然環境の中で自由に動き、草を食む時間を確保。極端な悪天候時を除けば、馬たちは毎朝外に出ることで適度な運動をしながらリラックスし、心身のバランスを整え、自然な社会性を育んでいます。さらに、ウォーキングマシンや軽い調教など、負担の少ない運動を取り入れることで、心肺機能を高めると同時に筋肉や関節の柔軟性を保ち、疲労をため込みにくいコンディションを維持。こうした自然との触れ合いや無理のない運動は、馬のストレスを軽減・心の安定につながり、落ち着いた馬は訪れる方々にも安心感をもたらします。イグレットでは、馬と人がともに穏やかに過ごせる環境づくりに努め、心身ともに健やかな馬との豊かな交流を提供していきます。

3.馬にやさしい運動スケジュール

 馬の負担を軽減するため、イグレットでは1日の仕事量を厳格に管理しています。基本的には1レッスンまでとし、軽めの運動の場合でも最大2レッスンまでに制限することで、馬に過度の疲労が蓄積しないよう配慮しています。また、週に2日は必ず休養日を設け、馬が心身ともにゆっくりと過ごせる時間を確保することで、良好なコンディションを維持できる環境を整えています。これらの取り組みにより、馬たちが常に健康的で安定した状態で過ごせるよう努めています。

4.馬本来のリズムを考慮した給餌プログラム

 イグレットでは、馬の健康を最優先とし、1日5回に分けて食事を与える方法を採用しています。これは、野生の馬が少しずつ時間をかけて草を食む習性に合わせ、胃腸への負担を減らすと同時に、血糖値の安定や栄養バランスを維持することを目的としています。また、それぞれの給与量や飼料の内容を細かく調整し、過不足なく必要な栄養素を摂取できるよう管理を徹底することで、馬が常に活力を保ち、健やかに過ごせるよう心がけています。

5.持続可能な農法と馬糞の再利用

 イグレットでは、馬糞を堆肥化して乗馬クラブ周辺の耕作放棄地再生に活用し、自然農法によって牧草を育てる取り組みを進めています。堆肥化によって土壌の栄養が高まり、健やかな牧草が育つことで質の良い飼料を得られるだけでなく、周辺環境の再生にもつながります。こうした循環型の仕組みを確立することで、 自然との調和のとれた持続可能な未来への第一歩となることを目指しています。

イグレットが目指す未来

 イグレットは『幸せな人間が幸せな馬を作る』という理念を掲げ、人と馬がともに豊かなつながりを育める環境づくりを目指しています。一頭ごとの個性や状態を丁寧に見極め、無理のない調教とケアを行うことで、馬が持つ本来の潜在能力を引き出し、身体的・精神的な健康の維持に努めます。また、従来の常識にとらわれず、まだ広く知られていない馬の魅力や能力を探求し、その可能性を多方面に発信することに力を注ぎます。馬の気持ちに寄り添い、人と馬の相互理解を深めることで互いが学び合い、刺激し合いながら成長できる環境を創造します。イグレットの理想は、そこに集うすべての人と馬が安心して過ごせるだけでなく、『ともに生きる』実感を得ながら新たな可能性を見出せる場所であることです。その実現に向けて、『幸せな人間』が『幸せな馬』を育むという信念のもと、日々邁進してまいります。