SILKCROWN

シルククラウン

プロフィール

性 別 オス(セン馬)
誕生日 1998(平成10)年3月4日
出身地 北海道 新冠町
毛 色 鹿毛
父 親 ナリタブライアン
母 親 フェアリーユキ

ストーリー

父はナリタブライアン

 馬にあまり詳しくない人でも、この名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか。ナリタブライアン――中央競馬史上5頭目のクラシック三冠馬で、「シャドーロールの怪物」の異名で知られている名馬です。ナリタブライアンの兄弟には、サニーブライアンやマヤノトップガン、ファレノプシスなど名馬がたくさんいます。ナリタブライアンはデビュー翌年の1994年春から圧勝を重ねます。皐月賞を勝ち、そしてダービーも5馬身の差を付けて勝利。ファンから寄せられた三冠獲得の大きな期待を裏切ることなく、菊花賞では7馬身もの差をつけて勝ち、史上5頭目の三冠を達成しました。さらに年末の有馬記念も勝ち、1994年の年度代表馬の栄誉を得たのです。
 シルククラウンは、そのナリタブライアンの子ども。引退後、種牡馬になったナリタブライアンでしたが、翌年病気で死亡したため、子どもは147頭だけ。現在も生きているのは数頭しかいません。シルククラウンのデビューは2001年。成績は21戦3勝で引退となりました。クラウンを見ていたナリタブライアンの大ファンが、ナリタブライアンの子を乗用馬にしてもらいたいと願って、イグレットに連れてきたのです。
 そこから、シルククラウンの新しい日々が始まりました。クラウンはマジメな性格で、トレーニングも最初から素直で、わがままも言いません。むしろ、何に対しても頑張りすぎるところがあり、駈歩の時も最初からダッシュ! ダッシュしてしまうのは、指示に敏感で忠実だからこそ、なのですが、乗っている人がビックリしてしまうこともしばしば。そんなクラウンのクセを気にしないのは、ポニークラブの子ども達です。ダッシュされたとしても、むしろ楽しい! はじめのうちは、子ども達のほうがクラウンに多く騎乗していました。今は、ゆったりとした駈歩が得意になり、乗り手のリズムに合わせてくれるので、ご年配の方が最も安心する馬になりました。競技会にもチャレンジしたクラウンは、全日本馬場馬術大会への出場権を獲得して、なんとSクラスで全国10位以内の成績を収めるまでに成長。シルククラウンは、イグレットに来て、乗馬で新たな才能を開いたのです。

何でもやってくれる、気がいい先生

 律儀でマジメなクラウンは、誰が乗っても安心。人といるのが好きなので、会員さんから厚い信頼を得ています。体つきがコンパクトなため、リズムがどうしても速くなりがちで、多少乗りづらく感じる人もいますが、駈歩になると一変! ゴムまりのような滑らかな動きで、素晴らしい乗り心地になります。駈歩をマスターしたい、さまざまな技を身に付けたい時は、クラウンが最適。「こんなにゆっくりした駆歩が出来るなんて!」と驚かれるほど、とてもゆっくりとした駈歩が出来ますし、軽い合図でいろいろな技を繰りだしてくれます。シルククラウンは乗り手にとって、優しくて気がいい先生です。
 そんなクラウンにも、苦手なものがあります。それは虫!敏感なクラウンは、ハエが体に近寄ってくると、避けたり払ったりするのに必死です。トレーニングをしていても、しっぽでブンブン追い払いますし、常歩中でも、急に後ろ脚で自分のお腹を叩く始末。虫が多くなる季節にクラウンに乗る時は、すこし注意が必要かもしれません。

クラ子のお茶目なクセ

 会員さんに“クラ子“という愛称で呼ばれたりするほど、人気のクラウンには、ちょっとお茶目なクセがあります。ふすま入りのジュースが大好きなクラウン。ジュースをあげると、必ず「ブフォッ」と咳をします。その時、つい力が入ってしまうのか、「プーッ」とオナラの音が!ジュースを飲むクラウンからは毎回、咳とオナラの音がセットで聞こえてきます。二つ目は、おトイレの時。クラウンはトイレをする時、必ず「う~~~」と声が漏れます。しかも、おしっことウンチで、微妙の声のトーンが違うのです。おしっこの時は、力が抜けたような「あーーー」、ウンチの時は、少し力が入った「う~~」という声。そこがちょっぴりオジサンっぽくて、最高にかわいいところです。
 イグレットを訪れたお客さんに「このシルククラウンは、ナリタブライアンの子なんですよ」と紹介すると、一様に「あのナリタブライアン! こんなところで子どもに会えるなんて!」と驚かれます。そんなクラウンの馬房の両隣は、気が強い女子ウマたち。そんな環境でも動じず、すんなり溶けこめてしまうのが、持ち味の一つです。あまり怒ったりしないジェントルマンなクラウンです。そのコンパクトな体つきは、遠くから見てもクラウンとすぐに分かります。その姿は、どことなくナリタブライアンを思いださせます。